感染症診療では、まず緊急性を評価します。緊急性を把握して介入した上で、感染症診療の五つのポイントに沿って考えます。

まずABCDで緊急性を評価する

緊急性の評価にはABCDアプローチを用います。異常があれば「緊急性あり」と判断し、ABCDの異常に介入します。

感染症にバイタルサインの異常を伴う場合は、敗血症を想起します。

感染症診療の五つのポイント

感染症診療は、次の五つのポイントで整理します。

  1. 背景
  2. 臓器
  3. 微生物
  4. 抗菌薬
  5. 経過観察

1.背景

患者背景は、大きく三つの軸で捉えます。

  • 免疫不全
  • 解剖学的問題・異常
  • 耐性菌リスク

2.臓器

感染症の焦点となり得る臓器は主に15か所です。漏れなく確認し、感染臓器を絞り込みます。確認しても感染臓器が不明であること自体も重要な情報です。

3.微生物

患者背景と感染臓器を把握すると、原因微生物を絞り込めます。採取した検体でグラム染色を行うことで、さらに情報を得られることがあります。

4.抗菌薬

原因微生物を予想したら、抗菌薬を選択します。まず、推定した菌をすべてカバーしながら、最も狭域の抗菌薬によるエンピリックセラピーを行います。闇雲にすべてをカバーする広域抗菌薬を使うという意味ではありません。

培養検査の情報が得られたら、同定された菌種に合わせて、さらに狭域の抗菌薬へ絞り込みます。ディエスカレーションを行い、ディフィニティブセラピー、つまり標的治療へ切り替えます。

5.経過観察

抗菌薬を開始した後も、経過観察が必要です。臓器特異的所見と、全身状態を表す所見から効果を判定します。

感染症診療では、緊急性を評価した上で、背景、臓器、微生物、抗菌薬、経過観察の五項目に注目して進めます。