アレルギーは、薬剤や食物などの抗原暴露による免疫反応の結果として起こるものといわれます。アナフィラキシーは、人体の生命を脅かすアレルギー反応です。

アナフィラキシーショックは、アナフィラキシーによって循環障害が起こった状態です。

病態

病態のキーワードは、ヒスタミンと間質浮腫です。アレルギーには種類がありますが、アナフィラキシーは1型アレルギーで起こることが多いです。

食物や薬剤などの抗原暴露を契機に、マスト細胞が活性化され、ヒスタミンが放出されます。

ヒスタミンは血管拡張を引き起こします。すると、血管内皮細胞の結合が緩くなり、血管内の血漿成分が細胞外へ漏れ出ていきます。

その結果、血管内では循環血漿量が減少し、漏れ出た先では間質浮腫が起きます。循環血漿量が減少すると、失神やショックが起きます。間質浮腫が起きると、さまざまな臓器の症状につながります。

間質浮腫から整理する症状

間質浮腫という視点から症状を整理すると、次のようになります。

  • 皮膚で間質浮腫が起きると、膨疹が生じます。
  • 鼻粘膜で間質浮腫が起きると、鼻汁、くしゃみ、鼻詰まりが生じます。
  • 気道で間質浮腫が起きると、咳嗽、喘鳴が生じます。
  • 消化管で間質浮腫が起きると、消化管浮腫による下痢が生じます。浮腫の結果として狭窄が起きると、腹痛につながります。

最も多い症状は皮膚粘膜症状で、アナフィラキシー患者の80〜90%に認めるといわれています。

二つの診断基準

診断基準は二つあります。

一つ目の診断基準

数分から数時間単位で急速に生じた皮膚・粘膜症状があり、次のいずれかを伴う場合、アナフィラキシーと診断できます。

  • 気道・呼吸器症状
  • 循環器症状
  • 重篤な消化器症状

この診断基準では、アレルゲンが分からなくてもよいことがポイントです。

病態としては、気道・呼吸器症状と消化器症状は間質浮腫、循環器症状は循環血漿量減少で考えられます。

二つ目の診断基準

アレルゲンがあり、数分から数時間単位で急速に血圧低下、気管支攣縮、喉頭症状のいずれかを認めた場合も、アナフィラキシーの診断となります。

この診断基準では、皮膚症状は必須ではありません。皮膚粘膜症状は80〜90%で認めるということは、逆に10〜20%では認めないためです。

喉頭症状には、吸気性喘鳴、変声、嚥下痛などがあります。喉頭が浮腫んで腫れている状態をイメージします。

診断または強く疑った場合

アナフィラキシーを診断した、または強く疑った場合は、アドレナリンを筋肉注射します。

アナフィラキシーの概念と病態、それに基づく症状と診断基準を確認しました。